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お盆

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2026/08/15

まだ学生だったあの日、テレビで歌番組を見ていると「日航機がレーダーから消えた」とのテロップが入ってきました。ニュース速報のテロップとしては珍しい内容だな、と思うと同時に、子供心ながら、ただならぬ気配に緊張感を覚えたことをはっきりと記憶しています。

 

今から41年前の8月12日、羽田発伊丹行きの日本航空123便は、群馬県上野村の御巣鷹の尾根に墜落しました。乗客乗員524人のうち、520人が犠牲となった、国内航空史上最悪の事故です。

 

あの日は、お盆の帰省ラッシュの真っただ中でした。飛行機に乗った人たちの中にも家族の待つ故郷へ向かう人が多くいたと思われます。故郷に「帰る」というごく当たり前の行動。その当たり前の帰路が、突然途切れてしまいました。

 

年月が流れ、当時を知らない世代も増えましたが、それでも毎年この時期になると事故の記憶が語り継がれています。乗っていた人には、それぞれに家族がいたり、友人がいたり、仕事があり、帰りを待っている人がいたことでしょう。報じられる520人という数字のひとつひとつにそれぞれの人生があった。

 

お盆とは、亡くなった人たちが帰ってくる季節と言われます。けれども、日航機事故で亡くなった人たちは、あの日帰ることができませんでした。

 

私たちは普段、「家に帰る」ことを当たり前だと思っています。仕事が終われば家に帰る。旅行から帰る。お盆になれば故郷へ帰る。しかし、本当はその一つ一つが決して当たり前ではない。帰る場所があるということ、待ってくれる人がいること、無事に「ただいま」が言えること、それはとてもありがたいことなのだと思います。

 

今年のお盆も多くの人がそれぞれの場所へ帰っていきます。その旅が無事であることを願います。そして、あの日帰ることのできなかった人たちの御霊に、静かに手をあわせたいと思います。

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