だんじり祭りと大企業に共通する「不作為の合理性」
2026/10/17
10月10日、泉佐野市と泉大津市で、だんじりの横転事故が相次ぎ、男性2人が亡くなりました。SNS上では、マスメディアでは報道されないような「センセーショナル」な映像が出回り、この事故の特殊性が改めて論じられているようです。
人が死んでも祭りは続くのか。その答えを考えるとき日本の大企業の意思決定システムとの共通点に気が付きます。伝統を守る祭りと、合理性を追求するはずの企業は、一見すると全く異なる世界です。しかしその内部では、驚くほど共通する組織の病理が潜んでいるように思います。
だんじり祭りには、伝統や地域の誇りがあります。安全対策の強化や中止は、祭りの迫力を損ない、地域から批判される可能性があります。一方で、開催を続けるリスクは関係者に分散され、誰か一人のリスクとして問われにくいと思われます。
企業でも同様のことが言え、事業撤退を決めれば、雇用や過去の投資について説明責任が集中します。しかし、撤退を先送りした損失は複数の年度や部門に分散し、責任の所在が曖昧になります。
つまり、変革には個人名が付いた責任が生じますが、不作為の責任は組織の中に溶け込みやすいのです。
私が複数の大企業に勤めてきて思うのは、組織が変われないのは、変革の必要性を理解していないからではないと思います。変革する人が損をし、現状を維持する人が守られる仕組みになっているからなのだと思います。必要なのは、正しい決断をした人を守り、先送りにも責任を問う制度なのでしょう。変革を拒むのは無能ではなく、合理的にふるまう人々が、変わらない組織を合理的に維持してしまうことなのだと思います。
世界中で躍進が続く企業を見ていると、合議制のような意思決定システムではなく、トップに経営のリスクとリターンが集中している企業が成長を続けている様子が見られます。日本的経営と言われた集団的意思決定システムの限界が見えているのかもしれないと、だんじり祭りの行方を考えている中、頭に浮かんできました。日本株投資に役立てないだろうか?
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