ロング・ショート
2026/06/06
親しくさせていただいている銀行があります。新頭取の就任後、企業文化が一新された、と思われる銀行です。
私の主観では、大銀行の一般的なカルチャーとして、保守的、官僚的、減点主義、階層的、リスク管理重視等があると思います。こちらの銀行のすべての行員の方と深く接しているわけではありませんが、役員クラスの方、部長級の方、中間管理職の方、現場の方、私が親しくさせていただいている各レイヤーのすべての方が、「うちの会社は変わった」と本気で思っていることが伝わります。会社側から発せられる唯一の本音といってよい「人事」を見ても、客観的にそれは明らかです。
トップが変わるだけで、長年培われてきた企業の社風そのものがここまで変われるものなのだ、と私は新鮮な驚きをもっています。
人間の情報処理能力は、案外素朴なもので、例えば自分は幸せかどうか判断する際に、「絶対的」に幸せかどうかを認識できるひとは稀なのだと思います。多くのひとは幸せの価値判断を「相対的」に行うのでしょう。ほかの誰かと比べて自分は恵まれているのかどうか、というように。人間はあくまでも他者との比較によってはじめて幸福感の認識をしやすい傾向があるのだと思います。
株価についても同様のことがいえます。A社の株価が500円が妥当なのか、2000円が妥当なのか、「絶対値」をズバリ言い切れる人は、神様かペテン師しかいません。一方で、同業のB社と比較してA社の株価は割安か割高か、といった「相対値」を判断することはある程度論理的にできるのだと思います。株価は相対観で語れ、とは私の新入社員の頃の上司からよく聞かされたフレーズですが、これは証券会社の方から教えられた数少ない貴重な言葉であったと、今でも思います。
「ロング」は買い持ち、「ショート」は売り持ちを意味します。冒頭ご紹介した銀行をA社、A社と同一地域でライバル関係にあるB社の関係でいうと、A社は企業マインドを、加点主義的、現実的リスクテイク指向、チャレンジ型組織体系にパラダイムシフトさせ、ライバル行のB社が従来のデフレマインドに沿った行動体系を維持しているのであれば、A社買い、同時にB社売りの「ロングショート戦略」がうまく機能する可能性を感じます。
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